2021/02/28

ウィーン生活3:隔離三日目~五日目

 2/24

 既に隔離中の記憶は遠のきつつあるのだが、一応書き残しておく。この日は隔離初日にBILLAのオンラインショップで購入した品を受け取った。宅配を受け取るプロセスを試せたとともに、ともかく食べるものに困らない状態になったことで安堵した。買ったのはジャガイモ、たまねぎ、ハム、チーズ、水、コーンフレーク、パンなど、大したものではないのだが。

 もともと家にあったデロンギのエスプレッソマシンを洗って作動させ、普通のJulius Meinlの豆を使いある程度満足のいくブラックコーヒーが淹れられることが分かった。たまにテレビをつけるが、ナレーション以外のドイツ語はほとんど聞き取れず、先が思いやられる。

BILLAで買ったもの

コーヒー

2/25

 次の日が検査日ということで、実質的な隔離最終日という感覚で過ごす。昼になり、ドラッグストアDMとIKEAから立て続けに商品が届く。IKEAでは11品注文したにもかかわらず1つの机しか届かず、しかしIKEAの注文履歴を見ると全商品配達済みになっており焦ったが、IKEAのカスタマーセンターに連絡すると残りの商品は別個でこれから発送されることが分かった。

 ようやく本格的に論文の修正に着手する。注文していたHoTのSIMカードが届いたので、早速アクティヴェーションする。夜は、BILLAで注文していた冷凍のピザとチェバプチチを食べ空港で買っていたビールを飲み、隔離最終日を祝う。

夕食
2/26
 オーストリア保健省の定義によれば、入国日が隔離0日目で、この日が隔離5日目である。5日目にPCR検査あるいは抗原検査で陰性結果が出れば、その時点で隔離を終えることができる。例外的に検査のための外出は認められており、我々は家から一番近いシェーンブルン宮殿そばの検査場Teststrasseに徒歩で向かった。歩行者向けの検査場はOrangerieの建物内に設けられており、事前予約のQRコードと身分証を提示したのち、検体を抜かれ、シャンデリアのぶら下がった広間に並べられた椅子に座って検査結果を待つ。検査時に結果判明時間が知らされるので、それまで20―30分間待ち、その時間が来たら出口にいる職員のところで結果を印刷してもらう。我々は二人とも無事陰性で、自由の身となった。

ドライブスルー検査場

 その後、この日は街の中心に出ることはせず、公園や市場などに寄りつつ家に帰った。野菜や肉などが予想より高かったこともありMERKURなどの現地スーパーでは今後の食事を思って絶望感に苛まれたが、最寄りのトルコ系スーパーは米、スパイスなどの品ぞろえがかなり魅力的であり、ここに頼れば自炊生活も続けられると感じた。バルカン、トルコ系食材が揃う市場Meiselmarktもかなり役に立ちそう。
 夕方、新たに受け取り場所に指定していた近くの文具屋でIKEAの残りの商品を回収。早速机などを組み立ててすべて部屋に並べた。

2021/02/24

ウィーン生活2:隔離二日目

 2/23

 天気予報によれば、昼頃には霧が晴れ、この季節では異常な温かさになるということだった。実際その通りになり、最高気温は20度近くまで上がった。夕方には西日が強く射してくることが分かり、今から夏が心配になる。

朝靄

 午前中、洗濯機が作動することを確認。Whirlpoolという会社のものだが、コース選択等の記号の意味が分からず、しばらく検索する羽目になる。初日に大家に見せてもらったゴミ捨て場や地下物置への入り方ももう一度確認。アパートの外に出てインターホンの鳴らし方、鍵の開け方なども確かめる。セントラルヒーティングの温度設定の仕組みだけよく分からない。

 昼はLieferandoという出前サイトでトルコ料理を注文。昨年のトルコ旅行を思い出しながらドネル、ラフマジュン、メルチメク、ファラフェル、バクラヴァと大量に頼んだ。結局食べきれず夜はその余りで済ませる。

昼食

 時差ボケの頭痛が引いたので、奨学金や入学手続き関連の事務書類の処理にとりかかる。英語論文の校正指示も届いたのでそちらも隔離中に済ませたい。Amazonで買ったO2の旅行者用Simで当座をしのいでいた携帯契約については、スーパーマーケットチェーンのHoferが展開するHoTに決め、Simカードの郵送を手配した。

2021/02/23

ウィーン生活1:入国・隔離一日目

  2021年3月1日からウィーン大学博士課程に移ることになり、2月21日に妻とウィーンに引っ越してきた。これから留学までの手続きについても振り返っていこうと思うが、とりあえず日本出国からの数日間について記録しておく。

2/20

 出国前の約10日間は大阪の両親宅で過ごしており、飛行機も関空から。今は日墺間の直行便がすべて止まっており、今回使ったドバイ経由のエミレーツ便はウィーンにたどり着く数少ない手段の一つである。23:30の便だったが、見送りの家族とともに余裕をもって20時前に到着。予想はしていたものの、空港の閑散ぶり、静寂ぶりは衝撃的だった(その日の国際便は合計で5便ほどしかなかった)。チェックインが始まる頃にはそれなりに人がやってきているように見えたが、結局機内はガラガラで四人席で横になって眠ることができた。

 チケットは受託40kg、機内7kg制限がある学生料金のもので、ギリギリまで詰め込んでいたが前者のチェックはかなりゆるかった。後者に関しても搭乗口でのチェックはなかった。ただし、学生料金の同行者への適用をめぐって担当者と30分ほどやり取りがあった。

ターミナル1出発ロビー

ターミナル1 2F

ターミナル1 3F


2/21

 ドバイ空港には5:45頃到着。ほとんどの店舗が営業しており、関空とは打って変わって明るい雰囲気。飛行機も5分、10分間隔で飛んでいる。乗り継ぎ手続きもスムーズで、2時間ほど余裕があり、朝食をとった。ドバイ~ウィーン便は帰国する旅行者と東南アジアからの団体でかなり混みあっておりほぼ満席状態だった。

Marhaba Loungeで朝食

 オーストリアは現在安全国以外からの入国者に検査と隔離を義務付けており、それに伴う書類のチェックなどのため行列ができていた。ただしチェックはそれほど厳しくないのか列が進むのも早く、自分たちも何をしに来たのかなどの簡単な質問で通過できた。長期滞在者用のDビザさえ取っておけば入国を拒否されることはないだろう(一応自分はDビザ所有者は入国を認められるということが書かれた法令を印刷して用意していた)。

ウィーン空港到着ロビー

 入国時に陰性証明書が提出できない場合、入国後24時間以内の検査が必要なので、空港に隣接した医療センターまでカートで荷物を運び、そこで抗原検査を受ける。もう一度空港に戻ったころに陰性の結果がメールで送られてきた(陽性だったときにどうなるのかは分からない)。空港内のタクシー会社の言い値がなんとなく高く、また運転手がわらわらと寄ってきて不穏だったので、結局Uberを呼んで家に向かった。無事到着し、大家に一通り部屋とアパートの設備を案内してもらう。HousingAnywhereで見つけた家だが、写真で見たよりも広く住みやすそうだった。地下に荷物置き場があるのがありがたいのと、やはりセントラルヒーティングは素晴らしい。

 大家が帰ってようやく落ち着けたのは16時ごろで、大阪の家を出てからは30時間ほど経っていた。この日は時差ボケを避けるためになんとか夜まで起きていたが、21時ごろには力尽きた。

2/22

 安全国以外からの入国者の隔離期間は公式には10日間だが、5日目に検査を受けて陰性であった場合、その時点で隔離を中止することができる。入国日は0日目と換算されるため、この日が隔離1日目となる。

 旅行であれば朝から街に出て行動することで時差ボケを治せるのだが、隔離生活だと頭が痛いとそのまま寝転んでしまい、また昼寝もいくらでもできるのでなかなか治しづらい。事務仕事は後回しにし、一通り荷解きをしてオンラインショップで生活必需品を購入したら一日が終わる。IntersparとBillaの宅配はどちらも最短配達日が明後日であり、時間が早かったBillaを使ったが、大家に予め用意しておいてもらった食糧が早めに尽きるかもしれない。他にDMで石鹸や洗剤を、IKEAでハンガーやテーブルを購入。

 ひたすらパン(Semmel)、チーズ、ハム、ヨーグルト、卵を食べる。昼は日本から持ってきた無印のカレーとサトウのご飯。食洗器がちゃんと作動することを確認。フライパンでSemmelをカリカリに温めようとするもIHの加熱が遅すぎて苛立つ。

昼食