先日の土曜日(3月13日)、Volksoperから西に向かってちょっとした散歩をした。何度か大学や買い物に出かけたついでに市の中心部を歩くことはあったが、何の目的もなく外出するのはおそらくウィーンに来て初めてである。
まず、環状道路ギュルテルGürtel沿いに走るU6のヴェーリンガー通りWähringer Straße駅で下車。この駅は1898年、都市鉄道の他の駅と同様、オットー・ワーグナーの設計で建設された。すぐ目の前にVolksoperがある。当然コロナにより公演は中断しており周囲は閑散としている。「大衆劇場」の名の通り、リンクの国立歌劇場とはやや異なる演目を上演しており、オペレッタやミュージカル等で有名であるようだ。建築はFranz Krauß, Alexander Graf(1898年)。フランツ=ヨーゼフ帝即位50周年に建てられた。
Währinger Straße駅 |
Volksoper |
Kutschkermarkt |
市場でケバブを買い、さらに西のヴェーリンガー・シューベルト公園Währinger Schubertparkのベンチで食べる。この公園はもともと墓地であり、かつてはベートーベンとシューベルトもここに眠っていた(のちに中央墓地に移された)。公園になったのは1925年のことである。今ではなんの変哲もない静かな公園だが、ベートーベンとシューベルトがここにいたことを記念するモニュメントは残されている。
ベートーベン・シューベルト記念碑 |
その後、静かな住宅街を抜け北に曲がり、土曜日で閉まっていたウィーン大学天文台の脇を通り、テュルケンシャンツ(トルコ陣)公園Türkenschanzparkに至る。この公園がある場所に、1683年の第二次ウィーン包囲の際、オスマン帝国軍が陣営を張っていた。1888年に公園が開かれた際にはフランツ=ヨーゼフ帝がやってきて演説を行った。この演説の内容は展望塔Paulinenwarteの壁に刻まれている。広大な公園の中で最も興味深かったのが、コサック記念碑である。これは2003年、オーストリアのウクライナ人コミュニティのイニシアチヴで建てられたもので、コサックが第二次ウィーン包囲の際、防衛軍に助力したことを記念している。バンドゥーラを抱え、チューブを垂らしたコサックの姿が珍しいのか、記念碑の前で足を止める人が多かった。
フランツ=ヨーゼフ帝の演説 |
コサック記念碑 |
最後はS45のGersthof駅まで歩き、そこから帰路についた。
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