2014/10/08

2014/10/8


・授業後に机を叩く学生たち

昨日の記事で触れたが、ドイツの学生たちは授業終了の際片手で机をドンドンと叩くことで拍手に似た表現をする。気になって少し調べてみたが、日本語ではその事実は紹介されているものの起源に関する解説は見つからなかった。
そこでドイツ語で検索してみると2002年と古いがちょうどこの伝統を扱った記事があったので今日訳してみた。


なぜ学生たちはトントンと叩いて喝采を示すのか?

学生が授業のあとに喝采を打ち鳴らすとき、彼らはそれによって古き慣習に従っているのだ。ドイツ学生史協会のFriedhelm Golueckeは長らくこの領域で研究しており、我々にここで喝采表明の歴史への簡単な見通しを与えてくれる。

宗教改革の時代、学生寮(Bursen―教師と学生の住宅、教育組合だ)への強制が廃止されると、学生たちは自発的に同郷組合、今日まで広まってきた結合で組織した。それは19世紀の終わりまで、実際は学生の代表であった。それは学生たちの振舞いの規範を定めた―学生組合に属していない者にもである:いわゆるFinke、Kamel、Wilde、Obskurantに対してだ。(訳注:これらは順にアトリ、ラクダ、野蛮人、反啓蒙主義者の意であり、どれも学生組合に属していない学生を軽蔑的に指すとき用いられるようだ)
学生たちの相互関係にとって最も重要な規則は、コメントにおいて定められた。表彰の正式な儀式や、不快感に至るまでである:Vivat!(ラテン語、万歳!)あるいはPereat!(ラテン語、くたばっちまえ!)。学生寮で修道院に似た生活が支配的であったことを顧慮するならば、学生寮の解散でも簡単には放棄されなかった非常に古い伝統が一緒に付いてくることもあった。他方で、新たな影響も効果を持つようになった。例えば、啓蒙的なフリーメーソンと、彼らの集会所での慣習を通じて、である。

教育の範疇での学生による喝采と不快感の表明は、簡単には固定されなかったようだ。それは時間的にも、場所的にも相違している。起源は、たいていはっきりとは見つからない。時に、このような学生の表明は二義的でもある。18世紀後半から19世紀半ばにおけるアカデミックな教師の「口笛の野次」、それは今日一般的に、大学の外においても慣例となっているが、大学では新入生―「キツネ」たちの全く軽蔑的ではない挨拶をも意味することがあった。

似ているのが、新入生による講義の際の「太鼓叩き」であり、1800年ごろ、棒で床を突いていたのである。それは歓迎の挨拶だったが、しかしまた教授にとっては不快感の印ともなりえた。18世紀の終わりごろ、この場合こぶしが机に打ち付けられるようにもなった。

しかし同時に不快の印として既に「床を足でこする」と「シューシュー音を立てる」ことが知られていたので、机を叩くのは教師たちにとって喝采の表明へと変わっていったようだ。後に棒を講義に持っていくことはなくなったので、この場合足を踏み鳴らすことも慣例となった。

http://www.spektrum.de/frage/warum-bekunden-studenten-durch-klopfen-ihren-beifall/589114

0 件のコメント:

コメントを投稿