2015/02/06

2015/2/6


・読んだもの

Umbach, Maiken. „Reich, Region und Föderalismus als Denkfiguren in politischen Diskursen der Frühen und der Späten Neuzeit,“ in Dieter Langewiesche und Georg Schmidt (Hg.), Föderative Nation: Deutschlandkonzepte von der Reformation bis zum Ersten Weltkrieg. München, 2000

近代ドイツ史における連邦主義的思考様式を、神聖ローマ帝国の国制を援用しての「近代と伝統の結合」という視点から考察したもの。1785年の君侯同盟が代表する後期啓蒙主義時代と国民国家が形成され、労働運動が高まりを見せるヴィルヘルム時代が扱われ、どちらの時代においても連邦主義はプロイセン中心の中央集権国家へのアンチテーゼとして作用していた一方、前者では個人主義的、エリート的意味合いが強く、後者ではナショナル・アイデンティティの統合的な構成要素であったと述べる。単に近代以降も連邦主義の伝統が継承されていたというわけではなく、近代化が進むなかで時宜に応じてその伝統がある主張、立場を正当化するために援用された。

これぞ西洋史という論文で好みだが、そのぶん観点が完全に一国史なので僕のテーマで使えるかどうかは分からない。少なくとも援用とか擬制とか流行ってはいるが。


・現代ウクライナの重要人物

先日は何も書かずにこれだけ載せたが、Kappeler, Andreas. Kleine Geschichte der Ukraine. München, 2014を読了したので登場人物たちについて調べている、ということ。

Victor Pinchuk (1960-)
ドニプロペトロフスクを地盤とするオリガルヒ。アフメトフに次ぐ富豪。1998年から2006年まで議会議員を務めた。クチマの娘と結婚。

Ihor Kolomoyskyi (1963-)
ドニプロペトロフスクのオリガルヒで、ウクライナ第三位の富豪。かつてユリア・ティモシェンコ・ブロックを支援した。2014年3月、暫定大統領トゥルチノフによってドニプロペトロフスク州知事に任命された。

Arseniy Yatsenyuk (1974-)
現ウクライナ首相。ティモシェンコ派の全ウクライナ連合「祖国」の指導者の一人だった。2014年9月に親欧米路線の人民戦線党を結成。

Serhiy Tihipko (1960-)
2002年から2004年までウクライナ国立銀行総裁。2010年、2014年の大統領選挙に出馬するも落選。

Yuriy Lutsenko (1964-)
ペトロ・ポロシェンコ・ブロック党首。元内務大臣。2010年から2013年まで投獄されていた。

Oleh Tyahnybok (1968-)
極右政党スヴォボーダの党首。1998年、2002年の選挙で議会に議席を獲得した。ユーシェンコのブロックと連携したが、排外主義的発言により追放された。マイダン後の選挙でも票は伸びず。

Yurii Andrukhovych (1960-)
現代ウクライナの最重要作家、知識人。代表作は『12の輪』。

Oksana Zabuzhko (1960-)
作家。ポスト・コロニアルあるいはフェミニズム的作風が特徴。代表作は『ウクライナのセックスに関する野外研究』。

Serhiy Zhadan (1974-)
作家。ハリコフ在住で、東ウクライナの工業地域の若者たちを描く。代表作は『デペッシュ・モード』、『アナーキー・イン・ザ・UKR』。

Andrey Kurkov (1961-)
ロシア語作家。ブラック・ユーモアとポスト・ソヴィエト・リアリズムが特徴。代表作『大統領の最後の恋』は邦訳がある。

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